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防錆プライマー Liq-Fiberの概要

防錆プライマー Liq-Fiberは、鉄骨・鉄筋・キュービクル・鋼管等の金属系部材を錆から守ります。主にセメントと珪砂とで構成されるコンパウンドと、ポリマーと水分から構成されるエマルジョンとを現場にて混合・攪拌して塗布する無機系防錆プライマーです。含有した炭素繊維は表面強度を上げて、膨れや剥離等に対する耐久性を向上させます。
Liq-Fiberは主成分の強アルカリ性によって、赤錆が発生した鉄の表面を黒錆に変えて安定した防錆層を形成します。鉄以外の金属に対しても同様の作用があります。
下地処理は通常3種ケレンで既存塗装を剥離しなくてよいため(チョーキング、塗料の浮き等の劣化部分は取り除く)、ケレン費用の大幅な節約ができます。施工工程の短縮や塗替え等の修繕費用の削減が見込めます。
母材の保護能力が優れているだけではなく、耐熱温度200度~マイナス100度という幅広い温度特性も兼ね備えており、過酷な条件にも耐えられます。また、表面被膜は外部からの各種の暴露現象を遮断するため、耐候性、耐酸性、耐塩性等に優れます。
防錆プライマー Liq-Fiberは、NETISでKT-170078を取得しています。

※下記ボタンをクリックすると防錆プライマー Liq-FiberのパンフレットがPDFでダウンロードできます。
Liq-Fiber パンフレット English Version PDF

特長

防錆・防食性

Liq-Fiberは安定した防錆層である不動態被膜をつくります。主成分のアルカリ分子(pH値12.5程度)が塗膜の内側で循環し、鉄表面に黒錆と呼ばれるマグネタイト(Fe3O4)を形成します。この安定した防錆層が酸素と水の浸入を防ぎ、鋼材の腐食・再腐食を抑制します。
また、塗膜は伸縮性があってひび割れに強く、遮水性に富んでいる上、通気性があるので素材に付着した水分を蒸発させアルカリ性を維持するため、長期的な防錆効果を発揮することができます。
従来の防錆塗料は、その塗膜により鉄表面を空気や水分から遮断することによって鉄の酸化を防いでいます。しかし塗膜と素材の間に残る微量の水分やケレン終了時の残留赤錆が発錆の原因となります。

環境・安全性

無機質系の環境に優しいアルカリ性無機質の材料で作られた全く新しい防錆プライマーです。一般的な有機質の塗料と違い、石油系の溶剤等を一切使用しないため、河川や海洋構造物の工事における環境対策も安心して取り組めます。
また、浄水品質検査JWWA規格に合格しており、橋梁等の下部に清流がある場合や下流域に養魚場がある場合でも問題ありません。さらに、3種ケレンで施工ができるため既存有機塗装をサンドブラスト等で剥離せずに施工でき、海洋汚染等の問題もありません (Marpol:海洋汚染防止条約もクリアー)。

施工性

鉄の下地処理は3種ケレン(度合いにより2種ケレン)で容易です。
重複施工や塗り忘れを防ぐため、1回目グレーと2回目グリーンの2色で塗り分け、塗布量及び膜厚の管理ができます。

防錆プライマー Liq-Fiberの目次

Liq-Fiberについて

防錆プライマー Liq-Fiber
1st Coat(エマルジョン 10kgとコンパウンド 23kg)と2nd Coat(エマルジョン 10kgとコンパウンド 23kg)を1セットとなります。

製 品 名荷 姿Net重量Liq-Fiber色
1stエマルジョンポリ容器入10kgグレー
コンパウンド(炭素繊維入)ポリ袋入23kg
2ndエマルジョンポリ容器入10kgグリーン
コンパウンド(炭素繊維入)ポリ袋入23kg

エマルジョン

アクリル系複合高分子エマルジョン(水溶性硬化乳剤)で、防水性、接着性が強く、伸び弾性と屈曲性に優れています。また、200℃の高温から-100℃の低温まで活性分解せず、伸縮します。

コンパウンド

引張り強度が強く、高弾性の炭素繊維を特殊技術によりモルタルのスサに応用したもので、ひび割れが発生しにくく、アルカリ性の塗膜を形成し、高温度(200℃)まで耐える素材で、耐久性を有する防錆塗膜をつくります。

エマルジョン、コンパウンドの保管

(1)エマルジョンは、夏季は直射日光を避けて涼しい場所、冬季は凍結しない場所に保管し、製造日より12ヶ月以内に使用して下さい。
(2)コンパウンドは、雨や湿気を避け、土間等には直接置かないようにして風通しのよい場所に保管して下さい。

施工手順

1.清掃・水洗い(準備工)

・施工面の汚れ等を洗剤等で丁寧に清掃・水洗いを行います。
・汚れがひどい場合は高圧洗浄を行います。

2.素地調整

・3種ケレンを行います(錆の度合いによって、2種ケレン)。
・油脂分が付着している場合は、油脂分を取り除いたあと電動工具(ディスクサンダー、パワーブラシ等)を使用してケレンを行います。

防錆プライマー Liq-Fiberの3種ケレン

混合攪拌

基本的な配合比は、エマルジョン(10kg):コンパウンド(23kg)=1:2.3です。

施工方法配合重量比(E:C)
圧入・注入1:2.0
ハケ塗・吹付・ドブ漬1:2.3~2.5
コテ塗・接着・充填1:3.0~4.0

※配合比=重量比(E=エマルジョン、C=コンパウンド)

所要量のエマルジョンを攪拌容器に入れ、コンパウンドを徐々に加えながらハンドミキサーで約5分攪拌します。攪拌されたものがLiq-Fiberとなります。充分に攪拌したあと、5~10分寝かせます。

※攪拌上の注意

エマルジョンを先に容器に入れてからコンパウンドを入れ攪拌してください。

1st 防錆プライマー Liq-Fiber 2nd 防錆プライマー Liq-Fiber

施工方法

塗布量は1回当たり500g/㎡、2回塗りで1.0kg/㎡(乾燥膜厚約500ミクロン)となるように施工します。

吹付

自在型リシンガンのエアー吹出口とノズル先端との距離を約5mmに調整し、ノズル口径4~5mm、コンプレッサーの空気圧力を約6~8kg/cm2で作業します。
防錆プライマー Liq-Fiber

ハケ塗り

吹付ができない現場や細かい部分に使用。

コテ塗り

吹付のできない平らな面や鏡面仕上げにする部分に使用。

トップコート

・トップコートの種類は状況により選択しますが、水性塗料とします。
・作業はLiq-Fiberの硬化乾燥後行います。
・塗布作業は2回以上とします。
・塗料メーカーによる取扱方法の指示は厳守してください。

防錆工法

防錆プライマー Liq-Fiber

工程塗布厚
mm
配合比
E:C
材料所要量
g/㎡
備考
1. 下地処理1.3種ケレン以上(状況によりブラスト)
2.油脂分等の完全除去
2. Liq-Fiber 1st
3. Liq-Fiber 2nd
0.5mm以上1:2.3(例)塗布厚 0.5mm
 E:300
 C:690
1.吹付・刷毛塗
2.吹付には自在型リシンガン等を使用
3.塗り重ね前に施工面を清掃
4. トップコート
 塗布1回以上
0.07mm以上1.使用塗料は現場状況や環境により選択
但し、水性塗料を使用すること

(注)配合比=重量比   E:エマルジョン  C:コンパウンド
当工法は標準施工法です。現場の状況により対応をお願いします。
Liq-Fiber材料所要量には、施工時の材料ロス等は一切含んでおりません。

重防食工法

防錆プライマー Liq-Fiber

工程塗布厚
mm
配合比
E:C
材料所要量
g/㎡
備考
1. 下地処理1.3種ケレン以上(状況によりブラスト)
2.油脂分等の完全除去
2. Liq-Fiber 1st
3. Liq-Fiber 2nd
4. Liq-Fiber 1st
0.5mm以上1:2.3(例)塗布厚 0.5mm
 E:300
 C:690
1.吹付・刷毛塗
2.吹付には自在型リシンガン等を使用
3.塗り重ね前に施工面を清掃
5. トップコート
 塗布1回以上
0.07mm以上1.使用塗料は現場状況や環境により選択
但し、水性塗料を使用すること

(注)配合比=重量比   E:エマルジョン  C:コンパウンド
当工法は標準施工法です。現場の状況により対応をお願いします。
Liq-Fiber材料所要量には、施工時の材料ロス等は一切含んでおりません。

施工上の注意点等

・乾燥確認は指触にて行います。
・乾燥時間は塗布厚や天候により異なりますが、30~60分を目安とします。
・Liq-Fiberは塗布厚にかかわらず、2回以上の塗り重ねを行います。
・塗り重ねは、塗布面の指触乾燥確認後行います。
・雨天での屋外作業は避けます。
・降雨が予想される場合はシート等で施工面を養生します。
・Liq-Fiberの施工時及び硬化乾燥前、気温5℃以下になる恐れがある場合の作業は避けます。

取扱い方法

Liq-Fiberの練り置き時間(可使時間)
夏季 : 約2~4時間
冬季 : 約4~6時間
※硬くなりかかったLiq-Fiberは、エマルジョンを添加し、よく混ぜて粘度調整を行います。

作業工具の手入れ

・作業の中断、終了時には、速やかに工具の水洗いを行います。
・作業工具、機械の手入れを行う場合、Liq-Fiberが直接触れる部分への油脂類の使用は避けます。

錆の原理

鉄は水と酸素がある状況下で電気化学反応が起こり腐食します。水等の電解溶液が鉄表面に付着すると、酸化反応(アノード反応)と還元反応(カソード反応)が同時に起こり、そこに陽極(アノード)と陰極(カソード)から成る局部電池が形成され腐食が進行します。
防錆対策は腐食要因である「水分」と「酸素」を遮断する必要があります。また、赤錆は黒錆に替えない限り、再腐食が進行します。
防錆プライマー Liq-Fiber
防錆プライマー Liq-Fiber

使用用途参考例

鉄骨構造物、キュービクル、脱臭装置、発電機、折板屋根、石油関連施設、海洋構造物、鉄道橋、歩道橋、外部階段、手摺等、パイプライン、港湾施設、タンカー、高速道路、高架橋、桟橋、工場、各種配管、タンク、鉄筋コンクリート構造物等の防錆用途に対応できます。
詳細はコチラ⇒ 施工実績
※下記ボタンをクリックすると防錆プライマー Liq-Fiberの施工実績例のPDFがダウンロードできます。
施工事例

防錆プライマー Liq-Fiber防錆プライマー Liq-Fiber

その他の特長

1.接着性

油性分を除く全ての母材に接着可能です。鉄・各種金属、コンクリートはもちろん、従来不可能とされていた各種材料との接着にも効果的です。トタン板、ガラス、ステンレス、ALC、磁器タイル、合成樹脂、木部、塩化ビニール、そして発泡スチロールなどの弱い素材も傷めることなく施工できます。
同時に、従来懸念であった上記のような異種部材同士の接着・接合も可能であり、その利用方法は多岐にわたります。さらに、緩衝材としての機能や曲げやねじれ、膨張、収縮にも追従できるため母材の収縮に対応し、断裂や剥離を防ぎます。

2.補修・補強性

接着力に優れ、伸縮、引張、圧縮に強いため、耐荷不足になりがちなコンクリート構造物のひび割れを防ぎ、延命と強度を向上させることができます。土木分野のコンクリート建造物の補修・補強に最も効果的です。
炭素繊維で強化されているため、断裂を防止し、非弾性化や凍結による劣化を防ぎます。さらにコンクリートの中性化(風化)を防ぎ、塩分・水分を遮断して強度を保ち続けます。よって、一度施工すれば長期にわたり効果を発揮し、繰り返し補修をする手間もなくコスト面でも効率的です。

施工実績

2017年

アゼルバイジャン国営石油会社 港湾施設、パイプライン
静岡県     東海大学 掲示板
東京都千代田区 イトーピア キュービクル3棟

2018年

東京都港区 瑞聖寺 庫裡新設鉄骨(設計:株式会社 隈研吾建築都市設計事務所)
マレーシア ミリ 鋼板・ポール
静岡県浜松市 ヤマハ株式会社 折版屋根
静岡県焼津市 はごろもフーズ株式会社 機械室
静岡県磐田市 磐田東高校 野球グラウンド ポール補修
静岡県浜松市 テナントビル 鉄骨階段
静岡県浜松市 T邸 鉄骨階段・駐車場
静岡県湖西市 ヤマハマリーナ フォークリフト

2019年

静岡県川根本町事務所 沢井橋
中国地方整備局 三次河川国道事務所 国道照明ポール
高原町役場 梅木橋
静岡県藤枝市 静岡産業大学 門扉
東京都江戸川区 江戸川造船所 設備
静岡県焼津市 はごろもフーズ株式会社 螺旋階段・倉庫
東京都江東区 夢の島マリーナ 設備
滋賀県長浜市 大塚工務店 折板屋根
広島県安芸郡 マツダ株式会社 配管支柱
静岡県伊東市 ミクニ伊豆高原 新設鉄骨(設計:株式会社 隈研吾建築都市設計事務所)
愛知県豊橋市 みなと生コン株式会社 タンク
静岡県湖西市 ヤマハマリーナ ホイストクレーン
静岡県浜松市 企業局西部管理事務所 船明ダム 鉄骨階段他
静岡県浜松市 松川電機株式会社 キュービクル
静岡県沼津市 ヤマハマリーナ ホイストクレーン
静岡県焼津市 はごろもフーズ株式会社 食品加工ライン

2020年

東京都江戸川区 江戸川造船所 新設鉄骨

施工予定
名古屋トヨペット りんくうマリーナ(常滑市) 給油設備
島田駅前(島田市)ポール
ユニオンパーツ工業(浜松市) 折板屋根

NETISについて

防錆プライマー Liq-Fiberは、NETISでKT-170078を取得しています。
国土交通省は、新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として、新技術情報提供システム(New Technology Information System:NETIS)を整備し公開しています。

防錆プライマー Liq-Fiber



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Liq-Fiber パンフレット English Version PDF
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施工事例
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